==== Text encoding : UTF-8 ==== Holst : Jupiter (from “The Planets”) ホルスト:木星(『惑星』より)  イギリスの作曲家ホルスト(1874〜1934)の代表作である、組曲『惑星』の中の一曲です。特に中間部(本楽譜では[H][I][J]の部分)はイギリスの愛国歌「我は汝に誓う、我が祖国よ」など独立した曲として扱われることもあり、数多くの歌詞がつけられたそれらの曲は「サクステッド」の総称で知られています。  曲の途中でカポタストの位置を3フレットから2フレットに移動させています。ただし、1つのカポタストを移動させると音高が不安定になりやすいため、あらかじめ2フレットと3フレットの両方にカポタストを付けておき、途中で3フレットのカポタストを外しています。演奏前は、まず2フレットにカポタストを付けてチューニングし、その後で別のカポタストを3フレットに付け、再度チューニングを修正します。Coda後、[K]の直前で、F#mを左手で押弦したまま、3フレットのカポタストを右手だけで外します(写真/このため3フレットに付けるカポタストは、片手で外せるようにカイザー・カポなどバネ式のものを使います)。ローリング・カポをお持ちの方はそれを使えば、1つのカポタストを移動して演奏することもできます。 <写真>  TAB譜の下にストローク記号が付いている音は、ストロークで弾きます。ストロークは右手人差指(あるいは人差指+中指)などで行い、同時に弾くメロディは別にピッキングするのではなく、ストロークしたコードのトップがメロディになります。また、ストロークの合間にメロディを弾く際は、普通にピッキングします。ストロークによるコードは、指定された全弦を必ず正確に弾く必要はなく、トップのメロディがしっかり鳴っていればOKです。ただし、不要な音は鳴らさないよう注意が必要で、[F]2小節目・Dの1弦など鳴らさない高音弦は、左手で触れるか、右手の空いた指を乗せるなどして消音します。6弦を鳴らさない箇所([I]2小節目・Cなど)では、左手親指でネックを握り込むようにして弦に触れ、消音します。上下隣の弦が鳴っていてその間の弦が鳴っていない箇所([F]3小節目の5弦など)は、ひとつ下の弦を押さえた左手指で触れて、消音します。  音符の棒/旗側に付記された黒い点はスタカートで、音を短く切ることを表します。  中間部(前述の「サクステッド」の部分)のみを演奏したい場合は、[H]の1小節前([G]の最終小節)から始めて、[J]の最後からダル・セーニョで[J]冒頭に戻った後、to CodaでCodaへ跳ばずにそのまま進み、[J]7小節目のFからテンポを落として、8小節目最初のコード(C)を伸ばして終わるとよいでしょう。この場合、カポタストは3フレットに付ける1つのみでOKです。また、[I]や[J]が難しければ、[H]だけを2〜3回くり返し、最後は[H]7小節目のFからテンポを落とし、8小節目を2拍目まで弾いて終わるとよいでしょう。 [A]  1小節目〜5小節目冒頭では、1弦開放でリズムを刻みながら、4弦でメロディを弾きます(1弦のリズムは、[A]カッコ1の2〜4小節目でも刻んでいます)。3小節目の最後のみ、4弦が1弦リズムのウラに来て弾きづらいので、注意しましょう。 [1] [A]3小節目・冒頭:左手人差指で押さえた4弦4フレット・F#音はここでは弾きませんが、前後で使うため、押さえたままにしておきます。 [B]  1〜3小節目(最後の音を除く)は、音を出さない弦(例えば1音目であれば1、2、4、6弦)を左手で消音しつつ、音を出す弦(先の例では3、5弦)あたりを狙ってストロークします。 [2] [B]5〜8小節目:4〜6弦2フレットを部分セーハしたまま、1〜4弦でメロディを弾きます。 [C] [3] [C]1小節目〜3小節目前半:左手人差指で1〜3弦3フレットを部分セーハしたまま、弾きます。 [H]  [H]と[I]、[J]は同じモチーフですが伴奏が異なり、[H]の伴奏はベース音のみ、[I]と[J]はコード・ストロークです。このため、[H]と[I][J]では左手の運指が異なっています。 [I] [4] [I]1小節目・F:左手薬指で、4〜6弦3フレットを部分セーハします(ダイアグラム譜を参照して下さい)。難しければ9小節目のFのように、6弦3フレット・F音を左手薬指の指頭で押さえ、5弦は開放または消音し(どちらでもOK)、4弦3フレットを小指で押さえてもよいでしょう。3小節目、5小節目なども同様です。 [5] [I]7小節目・1〜2拍目:左手薬指で、4〜6弦3フレットを部分セーハします(ダイアグラム譜を参照して下さい)。難しい場合、運指の都合から[4]のような代案が使えないので、3拍目と同様に6弦を弾かず、5弦は開放、4弦3フレット・F音を左手薬指で押弦してもよいでしょう(その場合、コード・ネームはF(onA)になります)。 [6] [I]12〜13小節目:左手人差指で、4〜6弦を部分セーハします。難しければ、5〜6弦が鳴ればOKと考えて、4弦は消音気味になっても構いません。F、Dm、Gの2弦は、3弦を押さえた左手薬指の腹で触れて、消音します。 [7] [I]14小節目・C(onE):6弦は、左手親指でネックを握り込んで押さえます。難しければ、6弦を押さえずに消音しても構いません(その場合、コード・ネームはCになります)。 [J] [8] [J]最後:ここまで演奏したら、[J]の最初に戻ります(ダル・セーニョ)。そして[J]の6小節目を終えたら、Codaへ跳びます。 Coda [9] Coda 2小節目・3拍目:左手は押弦したまま離さず、右手で3フレットに付けたカポタストを外します。 [K] [10] [K]最後:TAB譜の下側に記された×は、スラップです。右手親指を、指先が高音弦側を指すように下に向け、側面で4〜6弦を叩いて、実音と打音を出します。その後、すぐに左手で全弦に触れて、音を切ります。 【音源】BSVD7060a 【録音日】2007年9月10日 【使用ギター】モーリス S-121sp 南澤大介カスタム 【使用弦】John Pearse #736