==== Text encoding : UTF-8 ==== 片翼の天使 [ファイナルファンタジー VII] One-Winged Angel [Final Fantasy VII]  ゲーム『ファイナルファンタジーVII』の、ラストバトル戦BGMです。VIIの主要キャラクターであるセフィロスの名が歌詞中にも登場しますので、彼のテーマとも言えるでしょう。  本楽譜では基本的に、メロディは音符の棒や旗を上向き、伴奏は下向きに表記して、区別しています。ただし、かえって煩雑になる場合は、違う分け方をしている場合もあります。  大きな繰り返しをしない形でアレンジしてありますが、もしオリジナル・サウンドトラックと同じように繰り返したい場合は、[J]4小節目が終わった後、[D]に戻るとよいでしょう。 [A] [1] [A]1〜2小節目:TAB譜の下に×が付いた音は、スラップです。下を向いた右手親指の側面で4〜6弦を叩いて音を出します。ちなみに親指は、ドアノブを反時計回りに回転させるイメージで手首を回して、弦に当てています。そしてここではスラップと同時に、右手中指などでダウン・ストロークも行っています(写真)。難しい場合は、ストロークだけを行ってもよいでしょう。また、楽譜には記していませんが、スラップと同時に手首でギターのボディも叩いています(パーム)。   <写真> [2] [A]<カッコ2>1〜2小節目:右手は、五線譜に記したように、親指(p)→中指(m)→人差指(i)の順にピッキングします。難しい場合は、2弦開放を2回ではなく1回に省略し、タララタララ…ではなくタラタラ…というように弾いてもよいでしょう(譜例)。 <譜例> [3] [A]<カッコ2>1小節目・3〜4拍目://は、直前の2拍ぶんを繰り返すことを示します。次の小節の1〜2拍目も同様です。 [4] [A]<カッコ2>4小節目・4拍目ウラ:6弦1フレット・D#音のハンマリング・オンは、次の小節で5弦1フレット・B♭音を弾く都合から、指頭でなく部分セーハで行います。余計な音である5弦1フレット・A#音が鳴ってしまったり、弾くのが難しいようでしたら、ハンマリングは通常通り指頭で6弦だけに対して行い、5弦1フレットを弾く時点で指を倒してセーハしてもよいでしょう。7小節目後半のフレーズも、同様です。 [5] [A]<カッコ2>7小節目・1拍目ウラ:1弦開放・E音は、できれば伸ばさず、次のメロディ(3弦3フレット・A#音)を弾く時点で消音します。筆者は、1弦をピッキングした右手指を、次のメロディを弾くと同時に1弦に乗せて、音を止めています。 [B] [6] [B]6小節目・3拍目:ここまでは左手人差指で押さえていた6弦2フレット・E音ですが、運指の都合からここで左手中指にバトンタッチします(ダイアグラム譜を参照して下さい)。 [7] [B]10小節目・2拍目〜11小節目:直前で6弦をピッキングした右手親指をそのまま使い、4〜6弦をダウン・ストロークします。また、弾いた直後に押弦した左手を緩めて、音を短く切ります。 [C]  TAB譜下側の×は[1]と同様に、スラップを表しています。[C]1〜2小節目と、3〜10小節目の各2拍目と4拍目には、ダウン・ストローク記号が無く×のみが付いていますので、これらはストロークせず低音弦を右手親指で叩きます。  3小節目以降の各3拍目(T.Harm.)は、ハーモニクス・ポイントを叩いて音を出すタッピング・ハーモニクスです。叩くポジションは便宜上、左手で押さえた場所の12フレット上を記してありますが、正確に全てのポジションを同時に叩くのは不可能ですので、高音弦側はその時に弾く一番高い音(例えば3小節目の場合は2弦15フレット)、低音弦側は開放なので常に6弦12フレットを狙い、それらを結ぶ直線上を叩くようにするとよいでしょう。この結果、フレットに平行ではなく、低音弦側が少しだけロー・ポジションにずれたような直線を狙った叩き方になります(写真)。筆者はタッピング・ハーモニクス時のみ、身体の上半身をギターのヘッド方向に少し倒しながら叩いています。ただし、難しいようであれば、一番高い音にあわせてフレットに対し平行に叩いてもよいでしょう(例えば3小節目の場合は、全弦の15フレットを狙う…ということになります)。 <写真> [D] [8] [D]<カッコ2>3小節目・4拍目:3弦は、左手の空いている指か、2弦を押さえた指の指頭で触れて、消音します。あるいは、14フレット・A音を押さえておいてもよいでしょう。 [E]  コード伴奏のみでメロディが無い部分のうち、下にダウン・ストローク記号と×が両方付いている箇所(1小節目・1拍目オモテなど)は、低音弦(4〜6弦)に対して、右手中指などでダウン・ストロークするのと同時に右手親指でスラップします。ストローク自体は弱めで構いません。 [9] [E]<カッコ3>1小節目・3拍目〜2小節目:4〜6弦開放を右手親指でスラップし([1]と同じ叩き方です)、その後に左手で、部分セーハするような形で複弦に対してハンマリング・オンします。 [F] [10] [F]2小節目・4拍目:4〜6弦の部分セーハは、次の運指の都合から、ここで左手人差指から左手薬指にバトンタッチします。 [11] [F]3小節目・2拍目〜5小節目・1拍目:4〜6弦9フレットを左手薬指で部分セーハしたまま、1弦のフレーズを弾きます。ストロークは高音弦を狙い、3弦は部分セーハした左手薬指で触れて消音します。 [12] [F]<カッコ1>1小節目:1弦7フレット・B音を左手人差指で押さえたまま、薬指と中指の部分セーハで4〜6弦を弾きます。 [13] [F]<カッコ1>2小節目・4拍目:9フレットを部分セーハした左手薬指を、4フレットあたりまでグリス・ダウンし、左手人差指による2フレットの部分セーハ(リピート後の[F]冒頭)にバトンタッチします。 [G] [14] [G]1小節目・4拍目:本来は2弦だけを7フレット・F#音に移動させたいのですが、部分セーハで押さえている都合上、2弦と4弦が7フレットに移動する形になります。4弦7フレット・A音は、音がしっかり出なくても構いません。 [15] [G]6小節目・2拍目:メロディを強調するために、部分セーハした左手人差指で3弦に触れて消音しています。ただし、開放・G音が鳴ってしまっても構いません。次の小節の1〜2拍目も同様です。 [16] [G]8小節目・2〜4拍目:すべてダウン・ストロークで弾きます。オモテ拍は右手薬指でストロークし、次は人差指で行い、この動作を3回くり返します。難しい場合は、ダウン→アップの順にストロークしても構いません。 [H] [17] [H]最後:四角で囲われた縦長のXは、スラムです。右手指を使って指板のサウンド・ホール端あたりで全弦を叩き、音を止めると同時にチャッという打音を出しています。 [I]  左手と右手で、別々にフレーズを弾きます。まず1〜8小節目は、左手だけで音を出します(L.H.:レフト・ハンド/楽譜の下パート)。動作としてはほぼハンマリング・オンと同じで、まず5弦5フレット・D音を左手中指でハンマリング・オンし、押さえたまま6フレット・E♭音を薬指でハンマリング・オンします。次はプリング・オフではなく、薬指はあらかじめそっと離しておいて、4フレット・C#音を人差指でハンマリング・オンし、それを押さえたまま6フレット・E♭音を薬指でハンマリング・オンします。1小節目後半は、最後の6フレット・E♭音が無いだけで、ほぼ前半と同様です。  2小節目は、まず5弦5フレット・D音を薬指でハンマリング・オンし、そっと離しつつ4弦3フレット・F音を人差指でハンマリング・オンします。そして押さえたまま、再び5弦5フレット・D音を薬指でハンマリング・オンし、次は4弦3フレット・F音をプリング・オフして開放・D音を出します(プリング・オフの動作はここだけです)。5弦はそっと離しておき、次は5弦5フレット・D音を薬指ではなく中指でハンマリング・オンします(ここからは、1小節目と同じです)。3〜4小節目は、1〜2小節目を繰り返します。  5〜6小節目の左手は、1〜2小節目と同じです。音符の下に記された+はパームを表し、右手の手首でギターのボディ(構えた状態で、サウンドホールの上あたり)を叩いて、打音を出します。つまり、ここは左手でフレーズを弾きながら(レフト・ハンド)、右手で4つ打ちの打音を叩きます。7〜8小節目は、5〜6小節目を繰り返します。  9〜10小節目は、左手は1〜2小節目や5〜6小節目と同じで、右手はパームではなくメロディを弾きます(R.H.:ライト・ハンド)。右手指によるハンマリング・オンのような形で、右手人差指の指頭を使って記された音を押さえます。指板の両脇に親指と中指(あるいは薬指)を添えると、右手が安定するでしょう(写真)。 <写真> [J] [18] [J]2小節目・1拍目:右手人差指や中指で4〜6弦12フレットを叩き、タッピング・ハーモニクスを行います。右手指が高音弦に当たってしまってもいいように、左手で1〜3弦に触れておくとよいでしょう。 [19] [J]5小節目・3拍目〜6小節目:ここはトレモロで弾きます。ダウン・ストロークとアップ・ストロークを細かく繰り返すような感じです。音符が記してある2拍ごとに、アクセントを付けるとよいでしょう。 [20] [J]7小節目・4拍目:ロー・ポジション(正確に1フレットである必要はありません)からスタートしてグリス・アップしていき、次の小節の直前で左手を離して、小節冒頭で右手親指を使って4〜6弦開放をスラップします。 【音源】BSVD6023a 【録音日】2010年2月24日 【使用ギター】モーリスS-121sp 南澤大介カスタム 【使用弦】Wyres CP1456M