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1999年2月


●99.02.01(月)

 「マール王国の人形姫」終了。プレイ時間14時間。RPGとしては小粒である。小粒なのは良いのだが、時間に比して仲間に出来るキャラクターが多すぎる。終盤に仲間にしたキャラクターはレベル上げも出来ずに終わってしまった。

 音楽・・・BGMは直球勝負でまあまあ良かった。編曲は良いが、メロはあまり立っていない。歌はよかったが構造的には冒険かも。歌の間プレイヤーは待たされるので、画面の演出が難しいのだ。前奏をもっと短くするなどの工夫は必要なのでは。

 よかったところ・・・キャラクターが立っている。顔絵も動きもグー。

 よくなかったところ・・・ストーリーの骨格は良いのだが、肉付けが練り混み不足という感がぬぐえない。もっと整合性や導線を大切にして欲しい。それから戦闘やマップでの行き先のバランスの悪さ。14時間で終わる可愛いキャラのRPGとして作るならば、戦闘を簡単にするか、救済策をもっと作るべきでは。あとは些細なことだが、ダンジョンマップの絵の使い回しも気になる。使い回しても良いのだが、全体マップを参照できるようにするか、「同じ様な地形のくりかえし」にならないようにして欲しかった。あれは迷うぞ。

 とかなんとかいいつつ14時間分は楽しんだでしょうか。次は「アーマードコア・マスターオブアリーナ」(2/4発売)だ。

 …と、ほとんどゲームレビューで幕を開けました2月1日の日記。皆様如何お過ごしでしょうか。

 先日バスで椎名町駅前を通っていて気付いたのだが、家の近所の「塔」がサンシャイン60より高くなっていた。

 池袋北側の、私の家から見えるくらいの位置に、謎の塔が建っているのである。最初に気付いたのは引っ越してきてすぐの頃で、その時はまだ5〜6階建てのビルくらいの高さだった。それが何時の間にか少しづつ高くなり、最近「そういえば高くなったなぁ」と思っていたところ、遠くからみたらばなんとサンシャインより高いではないか。実はサンシャインが奥にあり、遠近法で…というオチではない。多分。サンシャインの展望台に昇ってみれば真偽のほどははっきりするのだが、今の所そういう予定もない。謎は謎を呼び、類は友を呼ぶ。バビル二世はロプロスを呼び、イクラちゃんは誰を呼んでもハイバブチャンである。いったい何の為の塔であろうか。

 実は池袋には巨大忍者の隠れ里があって、毎朝あの塔を飛び越して修行をしているのかもしれない。
 実は池袋には巨大マッドサイエンティストの隠れ里があって、あの塔は象牙でできているのかもしれない。
 実はただ単にゴミ焼却のための煙突なのかもしれない。

 真相は果たして闇の中、貧相な顔して借りるのか、天ざるはパスしてしめじそば、敏捷なくせしてドブの中なのである。今日はスランプかも。

 人間、やっぱり無理しちゃいけねぇやな。


●99.02.02(火)

 今日は日中、友人に頼まれ芝居のチラシを作る。目のつけどころがシャープなスキャナーとフォトショップを使ってちゃっちゃっちゃっちゃっと作業。

 その後、夜には今かかっているゲームの音楽(1曲だけ)のデータ整理作業。以上、今日の日記おわり。

 「アーマード・コア マスター・オブ・アリーナ」まであと2日。FF8どうしよう。そんなことしてる場合か。場合だ。ばっははい。どかーん。

 日記のコーナーの表紙に、「日記道、我が心の師匠達の日記」と題してリンクコーナーを作った。河内さんとりきやんさんは知人だが、田中哲弥さんと田中啓文さんとは面識が無く、今回リンクを貼りたい旨メールしたら快く応じて下さった。わざわざお返事いただき、ありがたいことである。昔で言えばレインボーマンが直接ダイバダッタからメールを貰うようなものだろうか。今ならばシュレーダーが直接ベートーベンからメールを貰うようなものであるとも言える。みなしごハッチが母親からメールを貰うようなものか。そうかそれはちがうか。ともあれ日記を一層精進せねば、と心に誓う。田中哲弥さん、田中啓文さん、ありがとうございました。

 と心に誓っても体は別物。さすがに毎日オモロイ事ばかりは起きないので、今日の日記は短いのである。

 気付けば、一昨日から日記の日付表記を勘違いしていたらしい。なので一日ずらす。最近はこういうタイムスリップ現象がよく起こる。続けて24時間以上起きているとどこからが1日だかわからなくなる。さては時間礁か。

 「梅田地下オデッセイ」と「高見知佳のエッセイ」は似ていると思うがどうか。似てないよなぁ。だいたいSFファン以外で「梅田地下オデッセイ」って言われて解る人がどれだけいるのだろう。でもトリニティかわいいから許す。(何を?)


●99.02.03(水)

 今日も、ここんとこしばらく関わっていたダンスゲームの音楽に関して打ち合わせ。これは「nightmare project YAKATA」の時に効果音でお世話になった音楽制作会社のキューブさんからの仕事で、曲自体は年末年始あたりにOKをいただいていたのだが、クライアントからのリテイクが重なり、間に入っていただいているキューブのスタッフの方たちとみ゛ゃーみ゛ゃー言いながら最終的なデータを作成、一応今日で終了(になるといいなぁ)。Iさん、Nさん、Iさん、ありがとうございました。

 ちなみに発売日は未定ですが、夏以降でしょう。

 キューブのIさん(制作スタッフ)とは「YAKATA」の時に初めてお会いしたのだが、実は私の演劇関係の友人である萩原啓一郎さんと知り合いで、以前私がキャプテン・チンパンジーの「ジャンヌ・ダルク」(再演)で生演奏したときに見に来ていたという。うーん、世間は狭い。思えばこの時はリハーサルからずっと参加し、全編生演奏(キーボード+ギター)を行ったのであった。

 「YAKATA」の開発会社であるチャイムの、音楽関係スタッフだったSさんも、同じくキャプテン・チンパンジーの女優さんと知り合いで、チラシなどをよく貰っていた、という。うーん、世間は狭い。

 ところでヤマハの楽器は、みんなヤマハの音がする。ピアノもそうだが、ギターや、果てはシンセサイザーまで、ヤマハ独特の音色なのだ。これは、町のヤマハ音楽スクール時代から「ヤマハ色」に染められた人がヤマハに入社し、その色一筋で楽器を作るからではないのか。ひょっとして、他の人々と交流を持たない「ヤマハ一族」の村が日本のどこかにあって、ヤマハの楽器はそこで秘密のダシを使った製法によって丹精込めて作られているのかも知れない。きっとヤマハびと達は独自の音感をひそかに養っているのだ。

 「アーマード・コア マスター・オブ・アリーナ」まであと1日。万障繰り合わせてプレイせねば。といいつつただいま「クラッシュ・バンディクー3」プレイ中。「2」も達成率60%(ストーリー自体は終了)なので、平行してプレイしてます。いったいいつ仕事しとるんじゃわれ。


●99.02.04(木)

 眠りに落ちたのは明け方だったが、何故か11時前に目が覚める。何故か、だって? ふん、そんな風に自分を偽るのはもういい加減止めにするんだ。最初から解っていた事じゃないか。今日は例の日だ。そう、この日が来てしまったんだ。おいおい、待ち望んでいたはずじゃなかったのか? それともあの日の誓いは偽りだったのか?

 カーテンの向こうには淀んだ摩天楼が広がっている。いつもと同じくだらない日常の始まりってわけだ。私は簡素な朝食を手早く済ませ、壊れてしまった懐中時計を修理してもらう為に部屋を後にした。

 表に出ると凍てつく風が頬を刺す。これじゃあ悪い風邪が流行っちまうわけだ。私はコートの衿を立て、足早に店へと急いだ。

 この懐中時計を買ったのは、街の繁華街にあるうらぶれた8階建ての怪しげなビルだった。それまで愛用していた懐中時計が使いものにならなくなったので、買い換えたばかりだった。それが能なしに当たっちまったようで、いつも気付くと時刻がズレちまってる。止まっているわけでもなく、何度合わせても狂うのだ。これじゃあ、一日に2回合う分だけ止まった時計の方がまだましってもんだ。

 若い時計屋に事情を説明すると、隠し扉の奥から同じ型の新品を取り出して来た。取り替えてくれるというのだろう。「お取り替えいたします」ほら当たった。現役を退いたとはいえ、私の「力」もまだまだ使いものになるらしい。

 そしてそのビルの3階まで降りてきた時、頭の中に何者かの声が響いて来た。

 「・・・・・・・あ・・・・・・・ぶ・・・・・・・ンジ・・・・・」

 私は立ち止まり、その声に意識を集中した。するとあたかもインターレースの画像が徐々に鮮明になっていくように、私の錆びついた脳髄に明確な意志がじわじわと浸透していく。それは、私の中の忘れていた「何か」を呼び覚ますには充分なものだった。いや、単にそう装っていただけ、自分を偽っていただけに過ぎないのだ、多分。

 せっかく穏やかな、しかし退屈な日常を手にしたというのに、また戦いの日々に逆戻りか。それも多分悪くない。そう、悪くはないな。

 行くぜ、アーマロイド・レディー。俺は右腕にコントローラーを持つ男。

 ビックカメラ3階の奥へと向かう俺の頭の中には、奇しくも戦いの日々への招待状となったさっきのメッセージが、期間終了後の選挙ポスターのようにしっかりとこびりついていた。

 「あーまーど・こあ ますたー・おぶ・ありーな ホンジツハツバイ」


●99.02.05(金)

 ……戦いは終わった。ナインボールは、もうこの世には存在しない。そして俺はまた平凡な日常に逆戻りってわけだ。

 でも私の中の眠れる虎は、もう目覚めてしまった。最早誰にも止めることは出来ないわ。遺跡が、そして財宝が私を呼んでいる。

 私はレイラ・クロフト。いざ旅立たん、冒険の日々へ。


 「アーマード・コア マスター・オブ・アリーナ」ストーリー・モード終了、次は「トゥーム・レイダース」のリプレイ。ゲームばっかや。


●99.02.06(土)

 やっと2月〜3月のカレンダーを作った。私は日曜日が一週間の最後に来るというイメージで日々暮らしているのだが、最近の市販のカレンダーはみんな日曜日始まりになっていて大変使いづらい。そのため以前からカレンダーは自作していたのだが、今年はなかなか作れずにいたらもう2月。あっという間に時は過ぎ、サムは「時のたつまま」を歌い、タケは「時の落とし子」を歌う。これではいかんと、今日カレンダーを作った次第である。2月は短い。月給を貰っていた頃は得したような気になっていたが、それも遥か昔。私はウズベキスタンの銀キツネ。

 最近エプソンのプリンタが凄く気になっている。今まではアルプスのインクリボンタイプを使っていたのだが、知人が見せてくれた年賀状がエプソンの直出しだったにもかかわらず大変キレイで、目から鱗が落ちたのだった。目から鱗、山ホトトギス初鰹。というわけで最新の機種を狙っているのだが、パソコンショップの店員はスキが無く、だまって持って帰ってくるというわけには行かないようだ。残念。


●99.02.08(月)

 夕方、友人の水野ノブヨシと打ち合わせ。昨年、彼の作詞作曲・彼と私の編曲でデモ用にレコーディングした4曲に、友人の松ヶ下君がオケを作った1曲を加えた合計5曲を、ミニアルバムとして自主制作することに。

 その時彼が知人に作って貰ったというカードを見せてもらったが、どうやらエプソンのプリンタで出力したものらしい。ここにもエプソンの影が。どうやらこれは私に買えと言っているのだな。お金ないのに。

 今使っているプリンタはアルプスで、印刷自体はキレイなのだがインクリボンのためリボンむらがやや目立つ。

 老若男女、住人の全てが頭頂部にその生活共同体の中での地位を示すリボンをしている村、というのはどうか。だめかそうか。イメージとしては、「五分後の世界」のヒコクニン村のような感じの所に「マザー2」のどせいさんのような方々が大勢いらっしゃる、というものなのだが。やっぱりだめか。

 しかし最近のマックは安くて羨ましい。私が最初に買ったモデルは100万したぞ。100万ドラクマでも100万ユーロでも100万クレジットでも100万クロームでもなく、100万円だ。ひと財産だ。そのマック(IIci)は、今ではフロッピーやCDROMの台と化して苔むしている。これでは君が代だ。でも中古で今売っても数千円らしい。とほほのほ。


●99.02.09(火)

 昼間「はっぴいえんど」の件で坪田氏と打ち合わせ(詳細は「はっぴいえんど」音楽制作記を参照)。

 その後打ち合わせで夕方リットーミュージック(雑誌社)に。なんと一年間の連載企画の話であった。私が最近ギターを弾いていないのを知っているのだろうか。企画の内容はエレキギター初心者向けのものだった。私がエレキを弾かないのを知っているのだろうか。あ。編集の方にこのページのアドレスを教えてしまったのだった。いや〜、最近はエレキでバリバリっすよ私。バリバリの息子はベリベリっすよ。というわけで4月号(3月13日発売)から連載開始でござる。すっかりモノ書きな私。

 次の予定まで余裕があるので、新宿フラッグスビルのタワーレコードに行く。昨日水野くんに聞いてはいたのだが、ニューエイジやアヴァンギャルド、現代音楽のスペースが広くてびっくりだ。これじゃ子供の日記だ。敬愛するフィリップ・グラスの「Solo Piano」と、同じくグラスの昔からカセットで愛聴していた「The Photographer」を手に取るが、他にも欲しいCDがあったので断腸の思いで「The Photographer」を断念。結局「Solo Piano」と「Celtic Christmas 4(オムニバス)」、「スプレンドーレ(ハード・ロマンティック)」、そしてトーレ・ヨハンソンがプロデュースしたデンマークの新人ソルヴァイの「アナログ」を買う。散財だ。さんざ〜い。さんざ〜い。

 そのあと、本日のメインイベント。ネット上で知り合った、セガサターン用ゲーム「バロック」のディレクターであるよねみつ氏にさそわれ、他、鳩よの編集のAさん、クネップ代表取締役Kさん、マリーガルのN氏、そしてI氏(後述)と飲みに行く。最近めっきり出不精になってしまった私にとって、こういう機会はあまりないのでうれしいのであった。

 そもそもよねみつ氏から連絡を頂いたのは、Aさんがたまたま「ER」(NHKでやってる海外ドラマ)を検索したときに私の日記にヒットし、そこにたまたま「バロック」のことが書いてあったので、よねみつ氏に知らせた、ということらしい。今日話を聞くまで、「ER」というのは検索エンジンか何かのことだとばかり思っていた。ははは。おかげでそのレビューもどきは、現在スティングのホームページに転載されている。やっぱり日記は大事だということらしい。

 よねみつ氏は年齢不詳な人だった(写真を見たい方は「バロック ワールド・ガイダンス」という本を参照)。この熊のアップリケをつけた服を着た方の脳から、あのような世界が広がったかと思うと感慨深いモノがある。

 さておまちかね、「後述」のI氏。「タクティクス・オウガ」や「ファイナル・ファンタジー・タクティクス」、そして「バロック」で音楽を担当された、岩田匡治さんその人である。「タクティクス・オウガ」は、プレイ回数1.5回とはいえマイベストゲームであり、当然サントラも持っている(FFTのサントラも持っているぞ)。自分のあこがれの音楽関係人と、(アイドルとファン、という関係ではなく)邂逅できるというのは、この年になってもワクワクしちゃうものなのだ。音楽やっててよかったなぁ。ちょっとヨコシマ。以前仕事でご一緒させていただいた戸田恵子さんの時に続いて、感謝感激雨あられ、神田惨劇雛あられなのである。たとえるならば、レインボーマンがダイバダッタと飲みに行くようなものだろうかそうか二回目はもういいか。

 この方も年齢不詳(写真を見たい方は「バロック ワールド・ガイダンス」という本か、「ファイナル・ファンタジー・タクティクス」サウンドトラックのインナーを参照)。私の一歳上であった。

 みなさんゲーム業界に詳しく、○○が×××なことや、&*@§と☆★が¥$♀♂∴∞なことまで話題に上っていた。刺客が恐ろしくてここには書けん。でも64はやっぱり買う。

 というわけで、しなければならない仕事は増えたが、やる気も倍増三倍増した一日であった。今日は真面目にまとまったなぁ。


●99.02.11(木)

 起きたら頭痛が痛い。頭痛だから当たり前か。歯痛はハイタと読むのに頭痛はなぜズツウなのか。ズイタではいかんのか。そんなくだらんことを書いてるからズツウがイタイのか。これではいかんと、雑誌の記事の〆切があるので頭痛をなだめつつMACに向かう。〆切に追われるなんて、なんだか売れっ子作家。夢を見るのはそれくらいにして原稿を書き始めるも、頭痛に対抗できず数時間後変色したバファリンを飲んで一旦昼寝。怖いがそれしかなかったんや。発売されたギター・マガジンには私の記事が載っておらず編集長に怒ったら逆襲されて病院の中を逃げ回るうちにシティボーイズのきたろう氏と一緒になり自宅の敷地内にある女子校の廃校舎に入ったところで目が覚めた。不吉じゃ。特に生え際が。

 夢うつつで見た窓の外には雪が降っていたがどうやらそれだけは本当の出来事だったらしく、雨でぐずぐずになった残雪の中を傘を手に夕食を買いに出たら雨は既に止んでいた。そなえあればプレイバックpart-2。

 食事をはさんで頭痛もややおさまり、原稿はなんとか今日中にアップすることができた。よかよかことですたい。もうひとつ、明日〆切のコンペの曲のラフスケッチをレコーディング。明日午前中に六本木までお届けなのだ。一日に二つも仕事をするなんて、なんだか聖徳太子。夢を見るのはそれくらいにして、いそいそと曲をカセットに落とす。

 実はここだけの話、明日はその納品のついでにエプソンのプリンタを狙っているのだ。店員に隙が有りそうな店を狙おう。


●99.02.12(金)

 今朝はほとんど眠らずに六本木へ納品。モーローとした頭でエプソンのプリンタを手に入れるため店を探すが、なかなか見つからない。おむすびも底をついた頃やっとダンジョンの奥で一軒の店を見つけたがそこにあるのは背中の壺とかトドの盾とか識別の巻物とかそんなもんばっかりでまるで役に立たん。仕方がないのでドラゴン草を持って逃げようとするとHP250もある店主や盗賊番や番犬にポコポコにされてしもうた。シレンジャーもラクじゃないわい。

 というわけでプリンタは買わずに昼過ぎに帰宅、「はっぴいえんど」サントラのミックスをするため一旦眠り、夕方ごそごそ起きる(詳細は「はっぴいえんど」音楽制作記を参照)。

 ギターマガジンの原稿はおおむねOKだったようで、あとは後日字数などの細部を直すのみ。私が特集(12ページ)を書いた今月号もお送りいただいた(発売は13日です)。内容がつっこみ不足なのが残念。これはもちろん編集の方の責任ではなく、私の方の内容のねりこみが不足していたためである。次は頑張ろう。頑張ろうとバンガローは似ていないかそうか。


●99.02.13(土)

 今日は昼過ぎに坪田氏と「はっぴいえんど」の打ち合わせ(詳細は「はっぴいえんど」音楽制作記を参照)。

 そのあと、知人の結婚パーティで新宿へ。ネットで知り合ったオトモダチが、ネットで知り合ったオトモダチと結婚するというので、ネットで知り合った他のオトモダチ達が北は北海道から南は熊本まで遥か遠方の地より集いに集りまくったのである。これだけのそうそうたるメンバーが集まるのを見逃すのは「ウルトラ6兄弟対7人ライダー」を見逃すよりももったいないので万障繰り合わせてはせ参じようと思っていたものの、仕事のおかげで体調はへろへろ。へろへろといえばそんな犬がどこかにいたなぁたしか時計館。

 そんなわけで集合前にカッコントウを飲んでいそいそと出かけた私。かなりの方が初対面だったのだが、日記道の師匠である河内実加さんりきやんさんなどもいらっしゃっており、特にりきやんさんとは某多人数アイドル「○ー○○○○。」をデュエットさせていただき、修行不足を痛感した一日であった。

 飲めや歌えの祝いの席だったのだが、刻を重ねるに従って病状が悪化したため(クシャミ/ハナミズ)、二次会をもって帰宅させていただく。Sさん、Mさん、おめでとうございました。ちなみに集合早々の私のセリフは「心頭メキャベツすれば火も又鈴虫」であった。これ座右の銘。うそ。うそつく口はどの口や。この口や。舌ぬいたろか。いやや〜。

 一次会と二次会の途中で立ち寄ったレコード店で、ギタリストの故マイケル・ヘッジスの遺作「TORCHED」を購入。ウィンダム・ヒルのサイトで既にリリースされていると書かれていたので探していたのだが、やっと手に入れることが出来た。先日、同サイトでライヴ演奏のクィックタイム・ムービーをダウンロードしたのだが、それを見ていると事故死のニュースを聞いたときよりもなんだか万感胸に迫るものがあった。アルバムはまだ聞き込んでいないので内容に関してはなんともいえないが、「次作が永遠に出ない」というのは、けっこう心に沁みるものがある。機会があったら、ムービー見に行ってみて下さい。


●99.02.15(月)

 店員の目をかいくぐり、ついにエプソンのプリンタをゲット。最高画質モードでの写真のプリントアウトはものすごい出来。しかし紙がよれよれになる、専用紙以外ではイマイチ、両面刷りが出来ないなどの難点もあり、従来使用していたアルプスのプリンタと併用する事に。ああますます部屋が狭くなる。

 というわけで「PIANO SOLOS 2(はっぴいえんど)」ジャケットのアートワークに没頭した一日でしたとさ。めでたしめでたし。

●99.02.16(火)

 先週末の知人の結婚パーティのため東京に来ている北海道の知人T氏、F氏が遊びに来る。秋葉原経由の大荷物でやってきた二人は腰を落ちつけるとすぐさま「アーマード・コア」の通信対戦準備にかかる。解説しよ〜う今ゆえあって河内実加さんからプレステを借りているので家にプレステは2台あり、TVはひとつだがマックがAV端子付きなのでこちらにプレステをつなげば別画面による対戦プレイが可能なのだ以上解説終わり。

 どきわくしながらまずT氏と対戦の準備をするが、礼服は忘れずとも自分の機体のセーブデータを忘れてしまったT氏は、F氏持参のメモカのデータを改ざんして自分用のデータをちゃっちゃっと作る。で、やっとできたさあ対戦と思ったら通信エラー。立ち上げなおしてまたF氏持参のメモカのデータを改ざんして自分用のデータをちゃっちゃっと作りやっとできたさあ対戦と思ったら通信エラー。立ち上げなおしてまたF氏持参のメモカのデータを改ざんして自分用のデータをちゃっちゃっと作りやっとできたさあ対戦と思ったら通信エラー。立ち上げなおしてまたF氏持参のメモカのデータを改ざんして自分用のデータをちゃっちゃっと作りやっとできたさあ対戦と思ったら通信エラー。というわけで対戦が始まったのは一ヶ月後のことであった。

 息詰まる興奮、かくして熱戦の火蓋は切って落とされた。極限まで足を早くした私の機に対し、コウハなるばてれんの秘術を使って執拗に責めたてるT機。彼のほとんど空中飛翔状態からの攻撃を見て、人はこう呼ぶ「飛行少年」と。

 どこが少年なんやというつっこみはさておいて、T機の猛攻に自機は陥落寸前。しかし、運命の女神は彼を見捨てなかった。すんでのところで難を逃れた自機。T機の影は無かった。天に昇ったか地に潜ったか。見るとT機はエリアオーバーしている。その後も彼は地雷を踏んで自爆するなど、ハチャハチャな一日であった。

白熱の 対戦プレイ 夢の後。
一時の 休み味わう パイロット。
Mさんの telが入って お迎えに。
通販の 本を片手に Mさんが。
トップスの ケーキがおみやげ うれしいな。
そのうちに 河内実加さん やってきた。
トップスの ケーキみんなで おいしいな。
ギャグだけが 私のワザじゃ ないのよと。
ちょっとだけ 歌を歌った みなみざわ。
そのうちに Cさん家に やってきた。

 おなかがすいたなあということでみなで近所を徘徊。といってもおさるさんではない。我が家と河内家の中間地点バラン星の広東料理のお店へ。しょっぱなからたいへんカライ料理で、私とMさんはひーひー火を吐く。おかげで正面に座っていたT氏は丸焦げ、その隣のF氏も半焼状態でお店はいとしこいし状態に。みんなでいろいろつついたが、私は卵が大変気に入ったうまいぞこれホームラン賞。

 そこに一本の怪電話が。「Yですぅ〜」こ、この声は...もしやY氏では。そうかそう言うとるもんな最初から。Cさんに借りたものを返しに、池袋までこれから来るという。駅前のマック(マッキントッシュでは...もういいかそうか)で待ち合わせ、食後に皆で行ってみると誰もおらん。携帯にtelすると「ちゃんとマックの前で飛び跳ねてますよ〜」とのこと。さてはと駅前にあるもう一軒のマックに行くと、ちゃんと飛び跳ねてました。私は見た。

 合流して近くのサテンへ。ああサテンの夜。

 たいへん白熱したトーク展開だった。特にC〜Yコンビのゼルダ談義。「64買え電波」がひしひしとこちらにも。

 やがてMさんが「そろそろ...」と席を立ったまさにその刹那、Mさんの携帯にご主人のS氏からtelが。Sさんがひとしきりみんなと話したため、Mさんの出立が遅くなる。あらら。

 かくてMさんは帰途につき、残ったメンツは再びわがやへ。

 ところがT氏とF氏はホテルの門限が10時なのですぐに出なければイケナイとのことですぐに出る。おつかれさまでございました。CDお買い上げ、ありがとうございました。

 そして私は河内さんのマンガのお手伝いをMACでし、Y氏にはYAKATAオルゴールを見せ、C氏は「お城いっこいっこいっこ...」に反応し、Y氏は両目からウロコを落とし、やがて解散となった。CDお買い上げ、ありがとうございました。

 ところで今回のオチ。翌日私は、たまったビックカメラのポイントを使ってニンテンドー64とゼルダの伝説を買ってきましたとさ。めでたしめでたし。


●99.02.17(水)

 午前中に這い起きて、プリンタの消耗品を買いにビックカメラへ。おおおわしをよぶのは誰じゃこの気配はなんじゃくぅわぁぁぁぁぁうぐばた、と思うておるうちに気づけば「ニンテンドー64」なる物体を手にしていた私。ポイントたまってたので差額ゼロ円で購入。儲けたような気になってしまって勢いのままに「ゼルダの伝説」も購入。

 家に帰るとグイン好きのHさんから突然tel。お貸ししていたイラストレイター教則本を返しに寄るというので来ていただく。

 本日のメインイベント。夕方に作曲家の岩田氏がやって来た。「タクティクス・オウガ」「バロック」などのゲームの音楽を担当された、あの岩田「ダイバダッタ」氏である。直前にお電話を頂いたのだが、その時につい「64買っちゃいましたよ〜」と漏らしてしまったのが運の尽き。結局、「64洋ゲー帝国からの使者」となられた岩田氏と、

「オルゴールを自腹で作った」といったら驚かれたり、

64のスノボゲームで女の子に「ちぇっ」と言われたり、

AKAIのミニビンテージ音源は音が結構いいとか、

「はがさないで下さい」というシールをはがしてハイレゾモードにしたり、

新スタートレックのボックスセットが重かったり、

最新の著作「オウガバトル3」を聞かせて頂いたり、

おなじく「エボリューション」の戦闘曲がかっちょええかったり、

ピカード艦長は途中で声が変わったり、

バンジョーはバンジョーを弾くからバンジョーだったり、

カズーイはカズーイを吹くからカズーイだったり、

プリンタがホコリをかぶって動かなかったり、

食事に行った卵のうまい広東料理屋が休みだったり、

「テュロック2(64)」の子供の目がホラーだったり、

筋肉モリモリなわりにジャンプがショボイ上半身テュロックだったり、

トロンのLDには副音声でスタッフのちゃちゃが入ってたり、

「スターウォーズ(64)」は血沸き肉踊ったり、

「怪人二十面相」TV版の明智探偵役が誰か解らなかったり、

Neo Hyper Kids「橋弁慶」の涙がドボジデ涙だったり、

「トゥーム・レイダー」のセリフを日米両方で暗記されていたり、

町中で「ここは二マス分だから通常ジャンプだわ」と思ったり、

「流星人間ゾーン」の主題歌はかっこよかったり、

なんだかとても盛りだくさんで楽しい一日だった。またぜひ遊びましょう。ちなみに今のBGMは岩田氏の「バロック」である。ああ肉が腐り心臓が焼けるぼくの半分はどこさっさとはいっちまいやがってクダサイ助けて助けて兄さん下で待っていますニクリとニクラ俺印を俺印を俺印を俺印を俺印を俺印を俺印を俺印を押さなくちゃ待ってイライザというように妄想は膨らむのであった。


●99.02.21(日)

 今朝起きてびっくり。なんと日付が21日になっておるではないか。たしか寝たのは17日(水曜日)の深夜だったので、まるまる3日間も眠り続けた勘定になる。もちろんその間食事も排泄もネットもなーんもせずこんこんと眠り続けていたわけで、だからギターマガジンの原稿を書いたり、「Piano Solos 2」が完成したり、「アンビリバボー」や「学校へ行こう」を見たり、水野君と打ち合わせで広東料理を食べたり、「ゼルダの伝説64」をプレイしたり、「ピカチュウげんきでチュウ」でピカチュウがかわいかったり、そのようなことはまったくしていないのです。ほんとにしておらんのじゃあだから日記も更新してなかったんじゃあという弁解をよそに、ピカチュウはやっぱりカワイイのであった。


●99.02.22(月)

 うちから最寄り駅であるところの池袋まで行く途中に、ファミリーマートが3店もあった。こないだまではそうだったのだが、今日見ると先日までパンプキンだったところがある日突如としてファミリーマートになっていたので、4店に増えたことになる。ううむしかしファミリーマートばかり増殖してどうするというのだ。セブンイレブンが一店もないというのに。ちなみに近所には他にもミニストップ、ローソン、パンプキンなどのコンビニが群雄割拠している。あ、パンプキンはもはや無いのか。

 個人的にはミニストップのツナ辛子マヨネーズおにぎりが好きでよく食すのだが、同時に4つも同じおにぎりを買うと「なんでいろいろ買わないんすか。他にもオカカとか明太子とかいろいろあるっすよ」と目で訴えられる。いーじゃん4つ同じものを買っても好きなんや。ファミリーマートだってそうじゃんなんで4店もあるんじゃふと気付くとここはミニストップだったそうだった。


●99.02.23(火)

 今日も作曲家の岩田氏と会う。実は同い年だったことがわかってびっくり(私が自分の年を忘れていただけなんですけど)。リベンジで行った広東料理屋は開いていて、玉子が食せてよかった。あいかわらずゲームをいろいろ持ってきていただいて、「トゥームレイダー(ス)」の英語版を見られたのは貴重だった。バームクーヘン、おいしゅうございました。

 しかし「オウガバトル3」も楽しみな私。今はゼルダ中だけど。


●99.02.24(水)

 あれよあれよあれよあれよあれよあれよあれよあれよという間に今月もあと少し。もう25日や。「今日は28日、あしたはおかめのだんごの日」という歌があるが、これは2月の場合いつが「おかめのだんごの日」にあたるのかという謎は漆黒の闇に包まれたままなのである。

 ひさかたぶりに読書していた、日記道の心の師匠である(お会いしたことはありませぬ、念のため)田中啓文氏の「水霊 ミズチ」読了。一見厚い本だが、人物の配置なんかが好みだったこともあり、あっという間に読了。おもしろかった。ホラーとして売られているが(角川ホラー文庫だし)、高橋克彦氏なんかの伝奇SF的要素と、最近の、たとえば「パラサイト・イヴ」「リング」なんかの「理論的ホラーSF」(なんやそりゃ)の流れだろうか。伝奇SFにワクワクした少年時代を持つ私としては、すっかりひたってしまったのであった。ところで主人公が妖怪ハンターの稗田に似ていると思うが、どうか。ちなみに私はもちろん稗田ファン。


●99.02.25(木)

 最近よく道に迷う。元来私は住所を頼りに行ったことのない場所に行くというのが好きだったので、未知の場所での打ち合わせというとだいたい住所を頼りに自力で伺ったものだが、今週はじめに入間市で、今日は銀座〜新富町で、二回続けて迷ってしまった。

 最近は自宅での作業が多いため、三次元的に空間を捉える能力が低下しているのかもしれない。これでは鶏脳だ。新しい鶏脳ということでニュートリノーというのはどうか。

 まあ冷静に分析するとすれば、場所に関する事前情報が少なすぎたのが敗因と言えるだろう。特に夜は太陽が無いので方向がわからん。これではゴム脳だ。恋人達のゴム脳〜。ゴム脳〜。ゴム脳〜。

 今日は午後知り合いの劇団「INUZORI」のチラシのグラフィックを制作、夜は銀座で打ち合わせ。


●99.02.26(金)

 そういえば24日で一周年だった。何が一周年かはナイショ。


●99.02.28(日)

 今日は朝から、私がデザインを手伝った劇団INUZORIのチラシ印刷につきあい、飯田橋まで。途中江戸川橋で全体に渦巻き模様のプリントされたマンションを発見。あれは古代カンブリア期から発掘された太古のマンションで模様は化石なのだろうとか、いやオーナーがうずまき仙人なんだとか、ちがうとりみきが住んでいるのだとか勝手なことを言っているうちに仕事は終わるのであった。

 午後は水野ノブヨシのCDのアートワーク。気付けばぜんぜん音楽していないなぁ。しかし新しいプリンタがたいへんキレイなので、やる気もわこうというものじゃ。ほぼ完成したので、近日中にご案内予定です。

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