sg6 ラガマフィン

「ソロ・ギターのしらべ 法悦篇」M34(旧版M33)
作:マイケル・ヘッジス


 南澤のアレンジによる「ソロ・ギターのしらべ」シリーズ中で、アレンジを加えない“フル・コピー”は初めての試みである。もっとも、ソロギは“原曲の良さをできるだけそのまま伝えたい(オリジナルに忠実なアレンジ)”というのが基本路線なので、方向性そのものは同じだとも言えるのだが。(04.10.01)

 他の曲のCD収録時間によってはカットするかもしれなかったのだが、なんとかCDに納められることが解り、録音の運びとなった。今回のために再度コピーし直したら、以前自分で採った楽譜(ギターマガジンに掲載したもの)にけっこう間違いがあることに気付く。ライヴの映像を見てもハッキリしない部分も多く、こんなことなら生前ライヴでもっと食い入るように見ておくんだった、インタビューした折りにもっと尋ねておくんだった…とも思う。でも、今回のコピー作業で、右手の打音や消音など、ほんとうに多くの部分で私は彼の影響を受けているということを改めて痛感。完全コピーがゴールなのではなく、そこから何を学び、どう自分の創るものに生かしていくか…が大切なんだと思う。(04.09.24の日記より)

 
●参考映像(*:ソロギター)


cover "The Artist's Profile" Michael Hedges

「ラガマフィン」収録

現在発売されている唯一の、ヘッジスのライヴビデオ(輸入版・VHSのみ)。ソロ6曲と、ベーシストのマイケル・マンリングとのアンサンブル6曲の全12曲。曲の冒頭部分がカットされているが、「ラガマフィン」も最後に収録されている(Dolphin Guitars他で通販可能)。


cover "ウィンダム・ヒル・イン・コンサート"

マイケル・ヘッジス、ウィリアム・アッカーマン(ギター)と、スコット・コッス(ピアノソロ)、シャドウファクス(アンサンブル)の、4組のスタジオライヴ演奏を収めたDVD。ヘッジスは5曲収録。「フォロー・スルー」の弾き語りヴァージョンはここでしか聴けない(左の写真はリージョンフリーの海外盤。字幕の入った国内盤もあり)。

収録曲:Silent Anticipations*/Woman of the World/Because It's There/Follow Through/Aerial Boundaries*

amazon (国内盤)


cover "Solace〜やすらぎ" various artists

ヘッジスをはじめ、ウィンダム・ヒルのミュージシャン達によるクリップ集。ヘッジスは「エアリアル・バンダリーズ」*、ウィリアム・アッカーマンは「ブリックレイヤー家の美しい娘」*のみ収録。ともに、CDの音に演奏をあてぶりしたもの。

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●参考音源 〜ヘッジス・ディスコグラフィ〜(*:ソロギター)


cover "Breakfast in the Field" (1981)

ヘッジスの1st。ナチュラルな音色とシンプルなアレンジが特徴。消音を多用した1、6弦をGまで下げた2や、ネックの上側からのセーハを含む10など、既にその独自性が伺える。

収録曲:1. Layover*/2. The Happy Couple*/3. Eleven Small Roaches*/4. The Funky Avocado/5. Baby Toes/6. Breakfast in the Field*/7. Two Days Old/8. Peg Leg Speed King*/9. The Unexpected Visitor*/10. Silent Anticipations*/11. Lenono

amazon (試聴可)
 

cover "Aerial Boundaries" (1984)

「ラガマフィン」収録

ヘッジスの2nd。彼の最高傑作と呼ぶ人も多い。究極のソロ演奏1や、プリングによるハーモニクスの3から、テープ編集を駆使した7まで、バラエティに富んだアレンジながら統一感のある曲調が魅力。

収録曲:1. Aerial Boundaries*/2. Bensusan*/3. Rickover's Dream*/4. Ragamuffin*/5. After the Goldrush/6. Hot Type*/7. Spare Change/8. Menage a trois/9. The Magic Farmer*

amazon (試聴可)
 

cover "Watching My Life Go By" (1985)

ヘッジスの3nd。インストのみの1、2作から一転、すべてヴォーカル曲たが、テクニカルなギターと寂寥感ある曲調は変わっていない(日本盤の解説は南澤が執筆しています)。

収録曲:1. Face Yourself/2. I'm Coming Home/3. Woman of the World/4. Watching My Life Go By/5. I Want You/6. treamlined Man/7. Out on the Parkway/8. Holiday/9. All Along the Watchtower/10. Running Blind

amazon (試聴可)
 

cover "Live on the Double Planet" (1987)

ヘッジスの4nd。ハープギターを駆使した2、シーラEの3、ビートルズの11など、パフォーマーとしての魅力に溢れたライヴ・アルバム。

収録曲:1. All Along the Watchtower/2. Because It's There/3. Silent Anticipations*/4. Ready or Not/5. Love Bizarre/6. Breakfast in the Field*/7. Rikki's Shuffle/8. Woman of the World/9. Double Planet/10. Funky Avocado*/11. Come Together/12. Two Days Old*

amazon (試聴可)
 

cover "Taproot" (1990)

ヘッジスの5th。これ以降、ヘッジスはアンサンブル主体のアルバム作りを行うようになるが、その中心には常に彼のギターとヴォーカルがあった。

収録曲:1. Naked Stalk*/2. Jealous Tunnel/About Face/3. Jade Stalk/4. Nomad Land/5. Point A*/6. Chava's Song/7. Ritual Dance*/8. Scenes [On the Road to Shrub 2]/9. First Cutting/10. Point B*/11. Song of the Spirit Farmer/12. Rootwitch*/13. I Carry Your Heart

amazon (試聴可)
 

cover "Road to Return" (1994)

ヘッジスの6th。前作『Taproot』をさらに押し進めたアンサンブルによるアレンジで、ほぼ全ての楽器を自身で演奏している(ソロ・ギター曲は収録されていない)。

収録曲:1. Prelude/2. Road to Return/3. Communicate/4. Sister Soul/5. Guardian's Trust/6. India/7. Midwinter Night's Dream/8. Follow Through/9. You Can Have Anything You Want/10. Road Music

amazon (試聴可)
 

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"オラクル" (1996)

ヘッジスの7thで、生前に発表された最後のアルバム(死後にグラミー賞を受賞)。ジャケットは上が日本盤、下が輸入盤。彼がもういないという事実がそう感じさせるのか、12〜13は鎮魂の曲にも聴こえる。

収録曲:1. 2nd Law*/2. Ignition/3. Baal T'shuvah*/4. Dirge/5. Jitterboogie*/6. Oracle/7. Gospel/8. Tomorrow Never Knows/9. Theme from Hatari*/10. Aura Mauunta/11. Jitterboogie (Family Version)/12. Sofa No. 1*/13. When I Was 4/14. What Child is This? (secret track)

amazon (試聴可)
 

cover "Torched" (1999)

ヘッジスの死後に発表された8thアルバム。生前作られていたデモをもとに構成されている。

収録曲:1. Torched/2. Spring Buds/3. Fusion of the Five Elements/4. Promised Land/5. Phoenix Fire/6. Dream Beach/7. Arrowhead/8. Shell Shock Venus/9. Ursa Major/10. Free Swinging Soul/11. Rough Wind in Oklahoma/12. Sapphire/13. Gospel of Mary/The Holy Flame/14. Java Man*/15. Free Swinging Soul (live)

amazon (試聴可)
 

cover "ビヨンド・バンダリーズ" (1999)

「ラガマフィン」収録

ヘッジスのベスト盤。イントゥルメンタルのみで構成されている。入門編として最適で、オリジナル・アルバム未収録のヴァージョンも収録されており、また日本盤は輸入盤より1曲多い(日本盤の解説は南澤が執筆しています)。カッコ内はオリジナルアルバムを示す。

収録曲:1. Rickover's Dream* (2)/2. Aerial Boundaries* (2)/3. Eleven Small Roaches* (1)/4. Ragamuffin* (2)/5. Ritual Dance* (5)/6. Chava's Song (5)/7. Double Planet (4)/8. Jitterboogie* (7)/9. Java Man* (8)/10. Bensusan* (2)/11. Because It's There (4)/12. Unexpected Visitor* (1)/13. 2nd Law* (7)/14. Baal T'shuvah* (7)/15. Funky Avocado* (4)/16. Dream Beach (8)/17. Gospel*/18. Sofa No. 1*/19. Rickover's Dream*/20. Dirge*(日本版のみ)(17〜20は未発表のライヴ・ヴァージョン)

amazon (試聴可)


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