sg2 青い影(p43)

「ソロ・ギターのしらべ 至高篇」M17
作:キース・リード&ゲイリー・ブルッカー


 この「青い影」はJ.S.バッハの曲がモチーフになっている、と「ソロ・ギターのしらべ・至高篇」では書いたが、ではどの曲がモチーフとして使われているのだろうか。いろいろな資料を当たってみたところ、バッハのカンタータ第114番「ああ、愛しきキリストの徒よ、雄々しかれ」だという表記と、管弦楽組曲第3番第2曲「G線上のアリア」だという表記の二種類が見つかった。「G線上のアリア」は有名だし私も曲を知っていた。確かにコード進行は似ているし、ダニエル・コビアルカというヒーリング系ヴァイオリニストのアルバムには「青い影」と「G線上のアリア」の類似からわざとこの2曲をメドレーにした作品もある。しかし「メロディをモチーフにした」と書かれている資料が多い中、「G線上のアリア」はコード進行こそ近いものの、メロディラインの相似は感じられなかったので、、どちらか特定するには「カンタータ第114番」を聴いてみた方がよいと思い、CDショップでバッハ全集みたいなCDセットの一部、5枚組のカンタータ(の一部)集を購入。5枚組で1000円ちょっとだったのでびっくり。クラシックって低価格化が進んでいるのだなぁと実感。で、114番をざっと聴いてみたところ、それらしいフレーズは見つけられなかった(私の聴き方がいけない?)。

 私が思うに、「カンタータ114番」と「G線上のアリア」のどちらかが本当で、どちらかがその資料の引き写しのミスから派生したものではないか。つまり、オオモトの何かの資料に「○○をモチーフにした」という記述があったのではと推理している(アーティストへのインタビューか何かである可能性が高い)。しかし現状その「オオモト」の資料が何であるかを特定することはできず、またインタビューなども入手できなかったので、「ソロ・ギターのしらべ・至高篇」では明言を避けているのである。

 アレンジには全く関係ないのだが、おんがっかとしては気になるところなのである。(01.10.25)


●正誤表

・5段目5小節目([B] 4小節目)1拍目

 5弦2f (×) → 5弦0f (○)


 (TAB譜のみのミスで、五線譜はあっています。第5版以降修正済)

 
●参考音源


cover "A Whiter Shade of Pale"
Procol Harum


「青い影」収録

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