sg2 sgv2 哀しみの恋人達(p15)

「ソロ・ギターのしらべ 至高篇」M5/ビデオ版2
作:スティーヴィー・ワンダー


 解説用の資料を集めているうちに、この曲のジェフ・ベック・ヴァージョンは実はカヴァーで、もともとのオリジナルはシリータ・ライトのアルバムに収録されていることが判明。つまり、もともと歌詞がある歌物だった、ということだ。ジェフ・ベックのプレイを聴いていると、歌物だったにしてはかなりの音域の広さを感じる(歌い出しのところですでに1オクターブの跳躍)。ということはもしかして、オリジナルのシリータのヴァージョンは歌が掛け合いになっていて、ジェフ・ベックが弾いているギターパートをバラで歌っているのかも…と、考えついてしまったのである。こうなると、元祖ヴァージョンであるシリータの歌を聴かないとどうにもおさまりが悪い。ところが、この曲が収録されているシリータのアルバム『スティーヴィー・ワンダー・プリゼンツ・シリータ』はCDが廃盤で、またこの曲はベスト盤CDにも収録されていない。結局ヤフー・オークションに出品されていたLPを3,200円で落札、2つ前の引っ越し時以来箱詰めにされたままだったレコードプレーヤーを出してきて、どうにか聴くことができた。

 聴いてみると…。さすがソウル系シンガー(?)、ジェフ・ベックが弾いていたメロディ・ラインはちゃんと全部歌っていた。というよりも、ジェフ・ベックが丁寧にインスト化していた、というべきか。 また参考までに、高中正義氏など他のミュージシャンのカヴァーによるこの曲もいくつか聴いてみたが、大筋はジェフ・ベックの影響を受けているように感じた。

 結局、シリータのヴァージョンを聴いたことによってこのソロ・ギター・アレンジが大きく変わった、というわけでも無いのだが…私なりについついこだわってしまう、ということなのでした。(01.10.24)

 
●参考音源


jacket "Presents Syreeta" Syreeta

「哀しみの恋人達」収録

スティーヴィー・ワンダーと70年に結婚、72年に離婚したシリータ。その離婚後の74年に発表された、スティーヴィー・ワンダーのプロデュースによる彼女のデビュー作。CDは廃盤で入手困難らしい。

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目次 GUITAR
 
ソロギターのしらべ2・至高篇
ソロギターのしらべDVD・2
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